10歳の壁 時々耳にする言葉だけど?
「10歳の壁」て?
子供を育てていると「10歳の壁」と言う言葉を耳にする機会が時々あるのではないでしょうか?私が初めて聞いたのはママ友からでした。
その時は、息子もまだ幼児だったので、そういう言葉があるのね、と言う程度に受け止めていましたし、今でも「壁」なんて、いつでもどこにでもあるのでは?とは思っているのですが、ママ友の話も「10歳位で勉強につまづく子供が増えるらしい」と言うあいまいな話だったので、書店で目についたのをきっかけに、
「子供の「10歳の壁とは何か?」乗り越えるための発達心理学
渡辺弥生著 光文社新書 2011年4月初版発行」
と言う本を読んでみました。購入したのは、2年ほど前でしたが、内容忘れていたので再読しました。
今ちょうど、息子も「壁」にぶつかる年代なんで(笑)
昔から言われていた?
この本を読むと、1970年代には、すでに小学4年生は「落ちこぼれのはっきりする時期」だと言われていたみたいです。随分昔から言われていた事なんですね。
この時期には、勉強の内容が抽象的な内容を含むようになり、より発展的な思考が求められるからのようです。
特に、国語、算数において学力に差が広がっていく時期のようですね。
この本が伝えたい事
ただ、この本では、「10歳の壁」が子供の早期教育を親に対して煽る言葉に使われがちだけれど、思春期の入口にあたる10歳位の年代で子供の思考能力や心理面で成長に伴う変化が現れる事。
考え方や心のあり方が複雑になるとともに葛藤も起きてくると言う事。
人間として飛躍する時期にあたる、この10歳という時期は、子供にどういう変化が起きるのか、と言う事を「自己意識」、「感情」、「道徳」等と言った面から知るのに役に立つ本になっています。
最近の息子が、なんだか小生意気になってきたのも、内面的に成長してきたからなのね、て改めて思いました(笑)
親子のコミュニケーションに役立ちました
この本の中に、
「可愛がっていた飼い犬が死んでしまって哀しんでいると、誕生日に新しい子犬を友達がプレゼントしてくれました。その時どんな気持ちがしますか?」と言った例話がありました。
10歳位になると、嬉しい気持ちと、悲しい気持ちを人は同時に抱く事があり、それはおかしなことではないと認識出来る年代らしいです。
息子に、この例話をどう思うか聞いてみました。
「嬉しくは、ならないと思う」と答えました。
「前の犬を思い出して悲しくなる気持ちと、新しい犬を前の犬の代わりに、もっと幸せにしてあげたいと思う気持ちと両方感じるんじゃないかな」と言いました。
なるほと゛~、意外にもしっかり答えているわ~、と思いました。
なんだか、息子も自分の意見を言うのが楽しかったらしく、他にもこんな話ないの~?と言ってきたので、他の例話も2人で読んだりして、結構意見交換できました。
親の子供に対するアプローチの仕方
最後の方には、親の子供に対するかかわり方のアドバイスがあります。
道徳性、社会性は、放っておいても発達すると言う訳ではなくまわりの大人が環境を整えて、支援していく必要があると言う事で、具体的なトラブルの例や、対応の仕方について書かれています。
全部で250ページあるので、そこそこ読み応えがあります。
忙しい方や、普段活字を読む機会の少ない方は、興味のある章から読んでみるのも良いかもしれませんね。