ひとりぼっち と言う事 スイミー 感想
絵本の読み聞かせをしているなら、多くの方が読んだ事がある。
あまり読まなくても知っている。
スイミーは、そんな絵本だと思います。
国語の教科書にも載ってるからでしょうね。
私の国語の教科書にも、息子のにもありました。
みんなあかいのにいっぴきだけ、からすがいよりもまっくろなスイミーは、だれよりも速く泳ぐ事が出来ます。
この時集団の中で一匹だけ、異質な容姿を持ったスイミーに、孤独感は感じません。
それは多分スイミーが「だれよりもはやく泳ぐ事ができた」からだと思います。
やがて、仲間たちはいなくなってしまい、スイミーはひとりぼっちになりました。
こわかった さびしかった とても かなしかった
スイミー より
この時スイミーは初めて孤独を感じました。
いつくらいからか、息子が「ぼっち」と言う言葉を時々使う事に気が付きました。
「ぼっち」は嫌だとか、あの人は「ぼっち」だとか、だいたい否定的な意味で使います。
確かに教室の中で「ぼっち」だと、色々と不都合な事が多いでしょう。
体育の時間の「二人で組になる」とか、遠足で「一緒にお弁当を食べるグループ」とか、仲間がいないと何かと心詰まりです。
学校の中では、時に、気の合わない仲間と一緒にいて、興味の無い話題に相槌をうつ面倒くささと引き換えに、「ひとりぼっち」のリスクを避けなければなりません。
オオカミの世界でも、協調性の無い群れからはぐれた一匹オオカミは長く生きる事が出来ないそうです。
でも、ひとりぼっちになったスイミーはいつまでも落ち込んではいませんでした。
けれど うみには すばらしいものがいっぱいあった
スイミー より
からです。
スイミーはひとりぼっちでも かっこいい魚です。
誰よりも早く泳ぐ事が出来、固定観念に縛られず自分の頭で考える事が出来るからです。
学校でも 社会でも、
人と違う事 や 人と違う考え方が出来る事
一人でいるのが好きな事
を尊重出来るようになると良いな、と思います。
友達らしき人の、数さえ揃えば良いのではなく、長く付き合える友達を息子にも探して欲しいな、と思います。
スイミーは、兄弟たちと同じような小さな赤い魚の群れに出会います。
小さな魚たちは、大きな魚を恐れて、自由に海の中を泳ぐ事が出来ませんでした。
スイミーは、たくさん たくさん 考えて、皆で一緒に大きな魚のように泳ぐ事を思いつきます。
スイミーは 一匹だけ黒い事を恥じてはいません。
スイミーが黒い魚だったからこそ「目」になる事が出来たのです。
そして、
あさのつめたいみずのなかを ひるのかがやく ひかりのなかを
みんなはおよぎ おおきな 魚を おいだした。
スイミー より
魚たちは 海の中を自由に泳ぐ事が出来るようになったのです。
やっぱり、スイミーはかっこいい魚です。